置賜あれこれ 川西ダリヤ園
第1話「川西ダリヤ園の概要」
川西ダリヤ園は、40,000㎡の敷地面積に650種10万本のダリアが咲く花公園です。
敷地面積の広さ、品種の多さから、川西ダリヤ園は「日本最大級のダリア園」とうたわれています。
ダリアを観賞できるほか、売店、遊具があり、車いすやスロープ、多目的トイレが設置されているなど、多くの方が利用できる施設になっています。
川西ダリヤ園は、毎年8月上旬から11月上旬にかけての約3か月間、期間中は無休で開園します。
見ごろは9月中旬から10月上旬にかけてです。
第2話「ダリヤ園の歴史」
2020年、川西ダリヤ園は開園60周年を迎えます。
川西ダリヤ園のはじまりには、現在の川西町ダリヤ会の先駆けとなった「小松花の会」の誕生にあります。
当時、川西町に隣接する南陽市には「菊」、長井市には「アヤメ」をシンボルとした公園が整備されていて、「川西町にもシンボルになるものがほしい」といった町民からの声があがりました。
会員の働きかけなどにより公園づくりが始められ、昭和35年9月21日、置賜公園内に旧川西ダリヤ園が開園しました。
町政15周年にあたる昭和50年には、ダリヤは町の花に指定され、町民からはさらに親しまれ、町をより一層元気にしてくれるようなシンボルとなったのです。
ダリヤ会は、昭和30年に設立されました。
川西町のダリア愛好家たちがダリアを持ち寄って展示会を開いたり、各地の展示会で賞を独占し続けたりしたため、そこで磨かれた栽培知識と技術がダリヤ園誕生の支えとなりました。
また、昭和30年に町村合併で川西町が誕生したことをきっかけに「川西町ダリヤ会」と改名されました。
そして、昭和35年、国内初となる町営の観賞用花公園「川西ダリヤ園」が誕生。
開園40年目を迎えた平成11年、現在の場所にリニューアルオープンしました。
ダリヤ会は、現在もダリアのみを集めた花の品評会「東北ダリヤ名花展」を開催して、花の美しさを競い合い、ダリアを愛し栽培を楽しんでいます。
ダリヤ園の誕生の裏側には、多くの方の努力と支えがあったのです。
第3話「ダリアの歴史と栽培」
ダリアは、1841年にオランダから長崎の出島を経由し江戸巣鴨へ導入されたと言われています。
初めに届いた花は八重咲きの赤色で、当時「天竺牡丹」と呼ばれていました。
ダリアは、明治から大正にかけて日本全国に広がりはじめ、昭和初期には本格的に広がりを見せました。
当時は直径10㎝以下の小輪やボールのような形のポンポン咲きのダリアが中心でしたが、昭和30年代初め頃には直径30㎝以上の超巨大輪「宇宙」という品種が生まれ、大輪系の品種が姿を見せはじめました。
ダリアの栽培が盛んになり始めた昭和初期、当時の小松町の医師がダリアを持ち帰り栽培を行ったことをきっかけに川西町でも栽培が行われるようになりました。
ダリアはとても高価で、当時積極的に栽培が行われていた土地は、城下町などの都市部、または裕福な農村都市でした。
小松は米の生産が多く、越後街道と長井街道が交差した物流の拠点で、地主や商人が集まる裕福な農村都市だったため、ダリアの栽培が盛んに行われるようになったのです。
ダリアは日当たり・水はけがよい土地を好み栽培するのも難しいですが、川西ダリヤ園では、川西町の気候がダリアの性質に適していることに加え、従業員の皆さんが心を込めてダリアを栽培しています。
また、川西町では、ダリアの栽培講習会の開催やボランティアガイド「ダリヤの里かわにし案内人」による園内案内などに取り組んでいます。
第4話「ダリアの魅力」
ダリアは、キク科の植物で、色や形には様々な種類があり、大きさや草丈、葉の形や色もそれぞれ異なります。
バリエーションが豊富にあることに加え、長い期間色彩鮮やかな花を楽しめることがダリア最大の魅力です。
花の姿はもちろん、花の名前も個性豊かです。
非常に種類が多いダリアは、色々な場所で生まれては消えるを繰り返しています。
川西町で生まれ愛されているダリアも多くあり、一つひとつの魅力が増すような名前がつけられています。
また、現在は「ダリア」という表現が一般的ですが、川西町では国内に花が導入された明治時代の呼び名「ダリヤ」を大切にしています。
「川西ダリヤ園」や「クリスタルダリヤ」などといった固有名詞の場合は「ダリヤ」と表現し、花そのものは「ダリア」と表現しています。
第5話「開園60周年」
長く親しまれ、愛されてきた川西ダリヤ園は、2020年に開園60周年を迎えました。
昭和35年9月に置賜公園内に旧ダリヤ園が、平成11年には、園の敷地面積の拡大にあわせ設備の見直しを行い、現在のダリヤ園がオープンしました。
川西ダリヤ園では、開園期間中に様々なイベントが開催されます。
そのひとつに、ダリアのアレンジメントの展示があります。
「ダリアをもっと身近に感じてほしい」「ダリアの魅力を多くの方に知ってほしい」という思いから、町内の花屋さんを講師としてお招きし、一般の方向けにダリアのアレンジメント講座を開催したり、県内の金融機関にお邪魔してダリアをPRさせていただいたりしてPRを行いました。
他にも、東京都の池袋サンシャインシティで開催された「ダリアの華展」へ出店、川西ダリヤ園と川西町のPRを行い、毎年東京上野で開催される「山形かわにし豆の展示会」ではダリアの切り花を販売しました。